やまなみメンタルクリニック

こだわりのラーメン。

「こだわり」は、わがままではありません

ASD(自閉スペクトラム症)のお子さんについて、

「どうしてそんなにこだわるの?」
「融通がきかない」
「わがままなのでは?」

と感じる場面があるかもしれません。

ですが、ASDのお子さんのこだわりは、単なるわがままとは少し違います。

多くの場合、その背景には不安があります。

予定が変わる。
先が読めない。
いつもと違う。
どうなるかわからない。

そうした状況は、ASDのお子さんにとって、とても大きなストレスになることがあります。

だからこそ、

「いつも通り」
「決まっている」
「予測できる」

という状態に安心し、そこに強く固執することがあります。

つまり、こだわりは、本人なりに心を安定させるための方法でもあるのです。

そして実は、「こだわり」そのものは、悪いことではありません。

私たちは普段、

「こだわりのラーメン」
「こだわりのコーヒー」
「職人のこだわり」

という言葉を、むしろ良い意味で使っています。

細かい部分を大切にしたり、好きなことを突き詰めたりする力は、本来その人らしさでもあります。

ASDのお子さんでも、

好きなものに集中する力。
同じことを丁寧に繰り返せる力。
興味を深く追求できる力。

は、大きな長所になることがあります。

大切なのは、「こだわりをゼロにすること」ではありません。

・本人が安心できる形になっているか
・生活が極端に苦しくなっていないか
・周囲を強く巻き込みすぎていないか

という視点です。

自分の中で楽しめるこだわりや、自己完結できるこだわりは、その子の安心や安定につながることがあります。

一方で、

「家族全員が同じルールでないといけない」
「少しでも違うと怒りが爆発する」

など、周囲の負担が大きくなる場合には、少しずつ折り合いの付け方を練習していくことも大切になります。

「こだわりをなくす」のではなく、
「安心を保ちながら、社会の中で調整していく」。

その視点が、子ども自身の生きやすさにつながっていくのだと思います。

やまなみメンタルクリニック

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