やまなみメンタルクリニック

子どもの不安ってどんな?

子どもの不安は “大人とはちがう” ——発達の視点から読み解く「心配のサイン」

大人の目には「ちょっとしたこと」に見えても、子どもにとっては大きな心配ごとに感じられることがあります。しかも子どもは、不安を言葉でうまく説明できないことが多いため、**“行動や身体の反応として現れる”**ことがあります。

今回は、子どもの不安の特徴、年齢ごとに見られやすいサイン、そして発達の視点からの理解についてお話しします。

■ 1. 子どもの不安は「言葉」ではなく「行動」に出やすい

子どもは「心配なんだよ」「不安で眠れない」とはっきり言えるとは限りません。その代わり、以下のような形であらわれることがあります。

• 朝になるとお腹が痛いと言う
• 怒りっぽくなる
癇癪が増える
• 「もう一回確認して」と何度も聞く
• 急に甘えが強くなる
• 寝つきが悪くなる
• 学校や習い事に行きたがらない

これらは、本人が「不安をどう扱っていいかわからない」状態の表れです。

■ 2. 年齢によって「よくある不安」は変わります

不安は成長の中で自然に経験するものですが、年齢によってテーマが異なります。

● 幼児期(3〜6歳)
• ママ・パパと離れることへの不安(分離不安)
• 大きな音・暗い場所・動物などへの怖がり
• 生活環境が変わると不安定になりやすい

● 小学生(6〜12歳)
• 「失敗したらどうしよう」「怒られたらどうしよう」という評価の不安
• 学校の行事・テスト・友達関係
• 規則や予定の変更に敏感になる子も

● 中学生・思春期
• 友人関係やSNSでのつながり
• 自分の将来や成績
• 「こう見られたい」という自己意識の高まり
• 睡眠リズムの乱れと不安が連動しやすい

こうした不安は“成長の一部”ですが、生活の質が下がるほど強く・長く続く場合はサポートが必要になります。

■ 3. 発達特性(ASD・ADHD)と不安が結びつきやすい理由

やまなみメンタルクリニックでも、発達の特性を持つお子さんに“不安の強さ”が目立つことがあります。これは特別なことではなく、いくつか理由があります。

① 見通しが立たないことが苦手(ASD)
• 予定変更に不安が高まりやすい
• 初めての場所・新しい環境で緊張しやすい
• 完璧主義的なこだわりから失敗を強く恐れる

② 気持ちの切り替えが苦手(ADHD)
• うまくいかなかったことを引きずりやすい
• 注意が散りやすく、周囲の刺激で不安が増幅しやすい
• 自己評価が下がりやすく「また怒られるのでは」と感じやすい

③ 感覚過敏など“からだのストレス”が不安につながる
• 音・光・においなどが負担になり、結果として不安行動が増える

発達特性がある場合、ただの“甘え”や“わがまま”ではなく、生まれ持った特性による不安であることが多いのです。

■ 4. 保護者ができる「不安を軽くする声かけ」

お子さんの不安をゼロにする必要はありません。大切なのは、“不安と付き合う力”を一緒に育てることです。

① 不安を否定しない
×「そんなことで泣かないの」
○「こわかったんだね。気づかせてくれてありがとう」

② できるだけ「見通し」を渡す
• 今日の流れを図や紙で伝える
• 初めての場面は写真や説明で事前準備

③ 小さく「成功体験」を積む• できたことを具体的にほめる
• 小さな一歩(靴を履く・玄関まで行く)を認める

④ 身体のケア(睡眠・食事・運動)を整える

心の不安は、体のコンディションに大きく影響されます。

■ 5. 受診の目安——こんなときは専門家に相談を

以下のような状態が続く場合は、早めの相談をおすすめします。

• 朝の腹痛や登校しぶりが毎日のように続く
• イライラや癇癪が増え、家族が疲弊している
• 強い緊張やこだわりが日常生活を妨げている
• 心配が頭から離れず、眠れない
• 発達特性があり、環境変化に対応できない

心理士による面接やカウンセリング、環境調整、必要に応じた医学的支援で、お子さんの不安は“整えていくこと”ができます。

■ おわりに

不安は、決して「弱さ」ではありません。お子さんが一生懸命に環境に適応しようとしているサインです。

やまなみメンタルクリニックでは、発達の視点をふまえた診察・心理支援・学校連携を通して、お子さんとご家族が安心して歩めるようサポートしています。

必要なときは、どうぞご相談ください。

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